寒さ厳しい季節に遠ざかる魚影。こんな時だからこそ、道具のメンテナンスを!

 今年の冬はけっこう寒く感じる。夜中には気温5℃、水温も10℃前後と我々アングラーにとって最も厳しい季節になってしまった。でも、釣りに行く時間が短くなるという事は、お家の中で過ごす時間が長くなるということだよね?それなら、こんな時期こそ1年間お世話になるマイタックルの“メンテナンス”をしてみてはいかがだろうか。えっ、面倒くさそう?まぁ、最後まで読んでから決めてみてよ!

 おそらく、ほとんどのアングラーがタックルは車の中に、ルアーなんか付けたまま“ほったらかし”だろう。事実、私も最盛期には連夜の如く出撃するから大体はそうである。たま〜に錆びたフックを交換するくらいのもんだ。でも、このメンテナンス不足こそがバラシの大きな要因であることに気付かないでいる証拠なんだ。例えばライン。海水は我々が思っているよりも遙かに凄まじい勢いでラインを傷つけている。巻き癖のつく早さや結節強度の弱さなど、淡水のそれと比べてみるとよく分かる。リールなんてもっとシビアだ。ベアリングが錆びて“シャリシャリ”いってるのに使い続けているアングラーをよく見かける。あれは、人間でいうと危篤状態にある入院患者に働けって言ってる様なもんだ。バスフィッシングを経験しているとよく分かるだろうが、淡水でこんなリールを使用しているアングラーにはまず出会わないでしょ!?

 これらを踏まえて、“ヤバイかも”と思った方に私がこの時期にしているメンテナンス方法を紹介しよう。気持ちが変わらないうちに、使用する全タックルを自分の部屋か、リビングルームなど家族や奥様に叱られない場所へ移動させる。そしてロッドとリール、ルアーを完全にバラバラにしよう。ラインは巻いたままでも結構だが、これについては下記で詳しく説明する。

1.ロッドについて
パッと見て何にも汚れていなく見えても相当汚れているので、この汚れを“浮かす”。このために私は独り身ゆえ一緒に風呂に入る。何も湯船に一緒につかるわけではないので誤解無きよう!肝心なのは湯気に晒してあげる事。風呂から出るときに一緒に持って出て、ティッシュなどで優しく拭き取る。これはプロのアングラーでもやってる方がいるほどだ。「子どもがいるから、一緒には入れない…」という方は、お湯に雑巾を浸けて、ちゃんと絞ったもので拭き取るだけでもいいと思う。
2.リールについて
一番やっかいなヤツだが、私の場合は面倒臭いので、高額な順にオーバーホールに出す。でも、お金が発生するのが嫌な時は、分解できるだけ分解してこれもティッシュで汚れを拭き取ってからオイルをさしてやる。ラインを巻いている部分は30分ほどお湯につけ、油や汚れを出来るだけ浮かす。間違っても、リール丸ごと水に浸けるような事はしないように!
3.ラインについて
明らかに消耗品ではあるが、高価なPEラインなどは何度も買い換える事は避けたいところ。前述の「2」で紹介したように、お湯に浸けるだけでもいいけど、メンテナンス専用のスプレーを完全に乾ききった後にふっておくと巻き癖などの緩和に繋がる。リーダーまで付いたまんまの方は、リーダーは新しい物に交換するべきだ。
4.ルアーなどについて
一度タックルボックスから何か大きなボールの様な物に移す。ここに蛇口からでる最高温度の熱湯を、ルアーが完全につかるまで注ぐ。(わざわざ沸かす根気強さは無い(^^;))お湯が冷めるまでほっといて、冷めたら新聞紙の上に綺麗に並べていく。何故水ではなく熱湯かというと、ルアーには海中のいろんなばい菌がついているから。完全に乾ききった最後に、錆びたフックを交換しようと考える人は賢い。

 以上、満足とは決して言えない私のメンテナンス方法をご紹介したが、あくまでも全てを1日でやらないように気を付けて頂きたい。1ヶ月ぐらいかけてゆっくり、じっくりやってこそ趣が有るように思うから。

「道具を大事にせんヤツは魚も大事にせん!」

…昔、父親に叱られた言葉が今はよくわかる、T/Aでした。(TEXT/T.A.む〜)